『タバコを吸うとビタミンCが欠乏する』
ということは、喫煙者であれば誰しもが知っていること。これは、タバコに含まれるタールやニコチンを体内で分解するのにビタミンCが使用されるためです。喫煙者と非喫煙者では、その消費量に大きく差が出てしまうため、ビタミンCの不足に伴う肌トラブルやその他の影響が出やすくなるのです。
肌荒れやニキビはもちろん、肌のハリ・弾力を出すコラーゲンもビタミンCが必要なので、たるみやシワのリスクに晒されてしまいます。しかしその対策として「タバコを止めましょう」というのは簡単なので、ここではどうしたらタバコを吸いながら肌を綺麗に保ちビタミンを補給できるか考察していこうと思います。
タバコとビタミンCの関係性
タバコを吸うと体内でその分解のためビタミンCが使用され、喫煙者は非喫煙者以上にビタミンCが不足した健康状態となります。ただ、私たちが思っている以上に「ビタミンCを補給する」ということは難しいことではありません。
ビタミンCは人間が生活する上で日々消費され、現代においては喫煙者・非喫煙者問わず、日本人の傾向としてビタミン不足が指摘されています。国レベルでビタミンCの欠乏がささやかれる中、喫煙を行うことでそれに拍車をかけるようにビタミンが欠乏していきます。
しかし、タバコを吸っていると「ビタミンCが普通より多く体内で使用される」というだけで、ビタミンCの摂取そのものが難しくなったというわけではありません。つまり、普通の人より多くのビタミンCを摂れば、その対策を図ることができます。厚生労働省の発表においても同様のことが言われています。
【参考】厚生労働省によるビタミンCと喫煙の関係性(P.226)
「不足するなら補えばいい」という簡単な理由であり、たくさんビタミンCを摂れば対策としてはOK。とても原始的な考え方ですが、タバコを楽しみながら自分の健康を保つためにはこれが最も効率的なのです。
補給は食品でもサプリメントでも同じ効果を得られる
通常、サプリメントで摂取した栄養素は体の消化活動の過程の中でほとんどが失われてしまうのですが、ビタミンCに限っては食品でもサプリメントでも体内への吸収率に差が無いことがわかっています。これは厚生労働省の発表においても明記されています。
実はビタミンCの摂取というのはそこまで難しいことではなく、また過剰摂取に伴う副作用も報告が無いため、意識をするだけで簡単に対策を図ることができるのです。
ビタミンCに耐用上限量はない
ビタミンCは水溶性ビタミンという「水に溶けるビタミン」です。従って、たくさん摂取しても尿となって排出されるため、体への副作用はありません。厚生労働省の発表においても、ビタミンCの過剰摂取に伴う副作用などが報告されていないことから、その耐用上限量を設定していません。
ビタミンCの摂取方法に注意点
水溶性ビタミンは、良くも悪くも「体に残らない」のが特徴です。つまり過剰分は尿となって出て行ってしまいます。従って、例え必要量のビタミンCを摂取したとしても、その摂取方法が悪いと、体に吸収されることがなくなってしまうのです。
例えば、キレートレモンやオロナミンCなどの飲料は1日分のビタミンCが配合されていますが、それを一瞬で飲み干してしまうと、「その時」必要なビタミンCしか体に補給されないため、いらない分は尿となって排出されてしまいます。
摂取方法は「ちまちま・こまめに」ということを意識しないと、1日単位の摂取量をただ守っていても結果的に不足してしまいます。現実的に体の中で起こっていることを理解しながら摂取するように心がけましょう。
ここまでで解説した「事実」は以下の通りです。
- タバコを吸うとビタミンCは減少する
- ビタミンCが減少すると肌トラブルが起こりやすくなる
- ビタミンCを補給するのは非常に簡単
- ビタミンCの摂取上限は無い
- ビタミンCはそのとき必要な分しか体に取り込まれない
この5つのポイントを押さえておくだけで、タバコにおけるビタミンCの不足は改善できるはずです。しかしここで誤解指定はいけないのは「タバコを吸うから肌荒れ・ニキビができやすくなる」と結びつけてしまうこと。ついタバコを吸って肌荒れやニキビができると、全てをそれのせいにしてしまいがちですが(確かにその要因もありますが)、現実にタバコを吸っていても綺麗な方がたくさんいらっしゃるように、「タバコ=肌が汚くなる」と関連付けてしまうのは時期尚早です。ビタミンCの特性を少しでも理解していれば多くのトラブルを改善できるのです。
また、「タバコをやめれば肌がきれいになる」のではなく、「タバコをやめると普通の人の肌に近づく」というだけ。タバコを吸っていなくても肌が汚い方はゴマンといますから、正しい知識でスキンケアや体調管理に努めるようにしましょう。