今回は【化粧水の働きと効果】について少し視点を変えて解説していきます。恐らくスキンケアについて何も知らない方は、
・スキンケアって何をすればいいんだろう?
・とりあえず化粧水だけでも塗った方がいいのかな?
と、ドラッグストアに陳列されているオキシーやギャツビーなど有名どころの化粧水を使い始めることが多いと思います。私も実際そうでした。
ただ、結論から言うと、「化粧水だけ」のスキンケアは、スキンケアでも何でもありません。むしろ肌を傷付ける行為そのものです。
ここでは「化粧水だけ」のスキンケアがどれだけ危険か、実際に肌で何が起こっているのか詳しく解説するとともに、男性の肌に必要な化粧品や成分について紹介していきます。
「化粧水」の本当の効果
化粧水は肌を「乾燥から防ぐもの」ではない
誤解されがちですが、化粧水の役割は、『水溶性の美容成分(ビタミンC誘導体など)を補給すること』です。よく言われる、肌に水分を与えたり、保湿効果を促すものではありません。
化粧水は9割以上が水分で、残り1割がビタミンC誘導体など水に溶ける成分が配合されており、実は「ほぼ水」なんです。乾燥した唇を舐めてもすぐに乾燥してしまうように、また洗顔後の肌はつっぱって乾燥しているように、「水」というのは乾燥を誘発する成分なのです。
「化粧水だけ」と「何もしない」だったら、「何もしない」方がマシ
POINT1でも解説したように、化粧水はほぼ水なので、それを放置すれば乾燥します。しかしそれでも「何もしないよりは良いだろう」と思っている人が多いと思いますがそれは誤り。
化粧水には90%の水分のほか、10%の他の成分が含まれています。90%の水分が乾燥によって飛んでしまうと、10%に含まれる成分の中には粉末状になって滞留するものもあります(ヒアルロン酸やコラーゲン)。粉末が滞留するということは、ベビーパウダーの要領でさらに肌の乾燥を増進させるということになるのです。それなら何も塗らない方が結果的に肌の乾燥を予防することができるのです。
「ヒアルロン酸配合」と書かれていても騙されないで
ヒアルロン酸やコラーゲンは、保湿成分の中でも代表的な成分ですが、化粧水に含まれていても保湿効果は期待できません。これらは肌の「内部」でハリや弾力を持たせるバネのような成分で、外側から塗り込んだとしても、粒子が大きすぎるため内部に入り込むことは絶対にないのです。
写真のパッケージをよく見ると、「ヒアルロン酸配合」という事実だけを書いていて、それがどのように肌に効果があるかは全く書かれていません。つまり、私たちが勝手に「ヒアルロン酸は乾燥を防ぐ」と思い込んでしまっているのを利用されているだけなんです。
ちなみに化粧水に含まれるヒアルロン酸は、その商品にとろみや質感をつける片栗粉のような働きをするに過ぎず、それがまとわりついて「保湿されている感じがする」だけなのです。ただ、乾燥が防げている「実感」としては確かにあるため、化粧品を塗布していない時の乾燥が化粧品によるものだといつまで経っても気付かないんです。
乳液を使えばいいという問題でもない
化粧品に関して詳しい方ですと、「乳液でフタをすればいいんでしょ」と自信ありげに話されます。半分正解ですが、半分間違いです。
化粧水の後に乳液を使うのは正しい方法です。ただし、その乳液にヒアルロン酸やコラーゲンと言った「エセ保湿成分」ではなく、セラミドなど効果がしっかりと確認された真の保湿成分が配合されている場合に限ります。
また「乳液でフタをする」という理解も間違い。乳液も60~70%以上は水分ですので、化粧水と同じように時間が経てば乾燥します。また化粧水は必ず使わなければいけないものではありませんので、「フタをする」というよりは、単純に「油分を補給する」と理解すべきです。
いかがでしたでしょうか。「スキンケア」というのは、化粧品をただ使えばいいという単純なことではなく、「必要なものを、必要量補給する」ことを言うのです。
この化粧水に関する使用法や理解については男性に限らず女性についても誤解している人が多く、今では化粧品会社まで使用者に合わせて「化粧水だけ」で問題ないようなものを開発しています。もうこうなってしまうと、「化粧水」という意味もよくわからなくなってしまいます。
ただこれから本気でスキンケアを行いたい方は、化粧水や乳液、クリームなどが持つ前提としての本当の効果を知っておいて損は無いと思います。また化粧水や乳液といった分類上の話ではなく、成分の細かな点まで把握して化粧品を選べるようになると、もっとスキンケアが楽しく、また肌を綺麗に保つことが可能になります。