医師開発のメンズコスメ「MANLY(マンリー)」を購入しました。天然のモズク、酒粕(日本酒)を配合した、オーガニックテイストのオールインワン美容液です。モズク成分フコイダンは、シャンプーやサプリメント、女性向けの化粧品に幅広く配合されています。しかし男性向けの化粧品に配合されたものはあまり数がありません。
まず使ってみた印象や、成分の解析を行った結果から評価の結論を言うと「軽度の乾燥肌・脂性肌の方は使う価値あり」。医師が化粧品を作るということに少し疑問を感じたりもしますが・・・よく考えられて作られている印象は受けました。
MANLY(マンリー)ってどんなメンズコスメ?
マンリーはオーガニック海藻エキス「フコイダン」、日本酒由来の保湿成分「アルファーGGL®」を配合。東京大学の農学博士で医師とあって成分も、他の男性化粧品には含まれない珍しい成分が多い印象です。
特にフコイダンは女性用のシャンプーや化粧品、サプリメントなどに幅広く配合されている成分。モズクは他の生き物にかじられたり、波の力や紫外線の刺激を受けることが多い海藻です。その環境下で力強く根を張ることから、化粧品に応用することで特に保湿力や自然治癒力が注目されています。具体的には乾燥肌やシワ・シミなどのエイジングケアへの効果です。
化粧品そのものは濃縮型のプッシュ式美容液。小型で持ち運びにも便利な形です。50mlで2500円前後。1日2回の使用で1.5~2ヶ月程度の使用目安なので、相場としては普通です(むしろ安い)。
濃縮型の美容液ですが、人工の質の悪い油分を使用していなのでベタつきがありません。また合成界面活性剤など乳化成分も含まれていないので、馴染ませたときに少量の泡立ちがありません。品質がよく肌に優しい証拠です。
ただ「無添加」と表示がありますが、フェノキシエタノールやカルボマーなど防腐剤、合成ポリマーが配合されています。何をもって「無添加」なのか不明です。
マンリーの安全性
医師が開発した化粧品とあって、非常に成分の安全性が高く感じられます。特にオールインワン化粧品でありながら合成界面活性剤が含まれていないのは評価できます(毒性解析結果)。
しかし「安全」ではあるものの、セラミドなど大きな効果を持つ成分が含まれていません。フコイダンや酒粕成分も「珍しい」成分ではありますが、とりわけ美容業界で注目されている成分ではありません。それほどまでに効果が高ければもっと普及しているものなので。効果と安全性を総合的に評価すれば、並の化粧品と言えます。
「医師開発の化粧品」に疑問
当サイト内では繰り返し解説していますが、化粧品とは本来使わなくてもいいもの、むしろ使えば使うほど肌を悪化させていくものです。
多くの方が勘違いしていますが、化粧品はあくまで「化粧品=お化粧道具」です。スキンケアと言えば聞こえはいいですが、メイクアップのための塗料と何ら変わりはありません。それを証拠に、ニキビや肌荒れ、乾燥肌やアトピーで皮膚科に行っても「化粧品」を処方されることは絶対にありません。化粧品は薬機法の適用を受ける薬ではあるものの、何かを「治す」ものではないのです。
◯◯を使えば肌がキレイになる、シミが治る、ニキビが無くなる・・・
そんなことはあり得ません。化粧品というのはあくまで肌を「キレイに見せる」ものに過ぎず、その見せ方に関して研究をしているのです。毒を承知の上でキレイに見せるのが「メイクアップ化粧品」、毒は少量で自然な仕上がりに見せるのが「基礎化粧品」です。見せ方と、毒の量に違いがあるだけで、「基礎化粧品=肌に良いもの」ということにはなりません。
多くの化粧品メーカーがそのジレンマと戦いながら販売をしています。毒の量をできるだけ減らして、より実感力の高い化粧品開発を行うのが今の主流。当サイトでもそうした化粧品をおすすめとして主に紹介しています。ですから、絶対安全かつ「キレイになる」化粧品というのは存在しません。
これを化粧品メーカーがやるのは良いと思うのですが、医師がその肩書を以て化粧品を販売するのは少し難色を示します。確かに毒性も少なく、幅広い方が使える化粧品かもしれませんが、毒性はあります。それを「医師」という立場で、当然化粧品が肌に悪いことを理解しながら「乾燥肌やエイジングケアに」と販売するのは・・・という感じです。