今年も日本人がノーベル賞を取りました。「オートファジー」。正直ほとんどの方はどういったものか理解できていないのではないでしょうか。
そしてもう既にオートファジーは化粧品に活用されています。POLA社がオートファジーの力に着目し「B.A」というブランドに導入しています。ただ、オートファジーは元々私達に備わってる力で、それを衰えないように(衰えるスピードを緩和)するのがオートファジーのちから。肌が劇的にきれいになるとか、美白効果が高いとか、そういうことではありません。
オートファジーとは?ざっくり言うと…
2016年ノーベル医学生理学賞に東京工業大学の大隅良典氏が受賞されました。
その研究内容は「オートファジー」。
オートファジーを直訳すると「自食作用」。古くなった自分の細胞(タンパク質)をアミノ酸に分解し、新たなタンパク質の生成に利用するという、代謝活動における体の仕組みです。
これがなぜ美容やスキンケアなど、化粧品業界で活用が期待されるのかというと、この代謝活動におけるオートファジーの力が、加齢や老化によって衰えていってしまうためです。
ただ、オートファジーは人間が元々持っている力であり、それをパワーアップする、もっと分解力のスピードを上げる、ということではありません。あくまで、加齢によって低下していくオートファジー機能の衰えを「予防」又は「正常値に戻す」ような化粧品の活用が期待されているのです。
オートファジーの力が低下していくと人間の肌はどうなるの?
「オートファジーが機能しない」ということになると、古い細胞(死んだ細胞)が体中に残り続けることになります。実は今回の研究では「オートファジーの発見」というより、古い細胞が残り続けることによる病気や各器官の機能低下を起こすことを分かったことが大きな発見です。
つまり、オートファジーの力を自分の体の中で維持できれば色々な病気を予防することができるということです。シワ・シミも、今までは「老化現象」と一括りにしていましたが、それもオートファジーの機能低下かもしれない、ということ。
POLA社がいち早く着目して商品化までたどり着いていますが、今後はこのノーベル賞の受賞で「オートファジー化粧品」というのが続々と登場するでしょう。
化粧品にオートファジーを手助けする成分が配合されたとしても、それはあくまで間接的な効果しかもたらすことはできないでしょう。本格的な商品化はまだ先でしょうし、オートファジーによって肌が劇的に生まれ変わるということでもありません。