異性を最も意識する思春期の頃、顔にニキビができてしまった日には「絶望」といった感じでした。
あの頃はとりあえず「今」このニキビを取り除きたい気持ちでいっぱいで、指先でプチっと潰してしまいました。当時、今のようなスキンケアの知識が備わっていれば、もっと先を見越した判断ができたのに!と悔やむばかりです。
また「思春期ニキビ」は科学的に存在する皮膚病。ニキビというのは男性ホルモン過多に伴う皮脂の過剰分泌が原因で、男性ホルモンが人生の中で最も活発なのが10代前半~20代前半にかけた「思春期」に発症します。
例えばヨボヨボのおじいちゃんはニキビなんてできません。あれは生殖機能がもう役目を果たしてるから、男性ホルモンの分泌も終わっているため。男性ホルモンに伴い分泌される皮脂腺も機能低下していて皮脂の分泌もない。だからおじいちゃんの肌はカサカサに乾燥しています。
思春期ニキビの正体
育ち盛りの10代思春期から20代は、男性ホルモンの分泌が人生の中で最も多い時期だと言われています。
男性ホルモンの分泌が皮脂腺へ皮脂の分泌を促すシグナルとなっているため、肌がベタベタとテカりやすく、また思春期ニキビで悩む子が多くなるです。
従って多少の割り切りも必要。かの有名な高須クリニックの院長高須克弥氏もTwitterでこうつぶやいています。
これはつまり、「思春期ニキビの悩みは時間が解決してくれる」ということです。
思春期ニキビの原因の第一は男性ホルモン(男女問わず)。成長過程にありホルモンバランスが安定しないこの時期は、とにかく耐えることが必要です。その「耐え方」を間違えると、今度は一生消えないニキビ跡になってしまったり、シミやイボができてしまいます。
間違ったニキビのケアとは?
10代~20代の間にできるニキビは、科学的に見ても「致し方ない」というのが正直なところ。ただ、ニキビは医学的にそこまで治療が難しい病気ではありません。ただ「外傷」であることは間違いないため、たかだかニキビだと軽視して自己流にケアしてしまうと、ニキビ跡などの原因となります。
間違ったケア①基礎化粧品に頼りすぎる
10代~20代の子に「ニキビケアの方法を教えてください」と聞くと、5割以上の方が「化粧品を使う」と答えます。
しかしこれは誤りです。なぜなら化粧品は医薬品ではなく、薬理的な効果は一切ないからです。むしろ、ニキビにとって天敵である質の悪い油分を含んだものが多いため逆効果になることがほとんど。特に乳液やクリームを使うスキンケアはしないでください。
乳液やクリームの目的は「油分の補給」です。不安になると何でもかんでもつければいいと思ってしまいますが、これこそがニキビを悪化させる原因となります。
間違ったケア②:ニキビを潰してしまう
先程の質問の残りの回答で多かったのが「ニキビを潰す」というもの。
「病院に行かずにニキビを治す方法」でもまとめていますが、ニキビを潰すことは実は絶対にダメな方法ではありません。実際に、皮膚科にニキビを診てもらうと、大体ブチッと潰されて、簡単な軟膏薬を渡されて終了なので。
しかしニキビには潰していいものと、潰してはいけないものがあり、また不衛生な環境や素手で潰してしまうと、9割9部雑菌が混入し、ニキビ跡になります。
ニキビは処方が簡単な故に、自己流で潰してしまいがちですが、潰すなら清潔な状態で、潰した後も雑菌が入らないように絆創膏を貼っておくなどのアフターケアが必要です。また面倒でも皮膚科で治療してもらうのが一番です。
基礎化粧品とは「予防」を目的にしたものであることを忘れずに
「ニキビケア」というのは、「予防」を目的にしたものです。この世に「ニキビを治す」「ニキビ跡を消す」といった魔法の化粧品はありません。
基礎化粧品に多くのことを求めすぎてしまい、勘違いされている方が非常に多いです。
ニキビができる「前」
肌が乾燥する「前」
シミができる「前」
シワが深くなる「前」に使うのが基礎化粧品です。
10代・20代のメンズスキンケアで気をつけること
洗顔料は必要最低限でOK
市販の洗顔に含まれている成分は実はとても強力。中学生~高校生については洗顔商品に頼らず、水洗いでも構いません。洗い方はぬるま湯(30~35℃)を手ですくった水に顔を埋めブクブクと息を吐き、ジャグのように水の循環で皮脂を洗い落とします。これで70~80%以上の汚れは落ちます。
強い水勢のシャワーを顔に当てたり、35℃以上のお湯になると、本来肌を守るために存在する必要な皮脂や保湿成分までも落としてしまい、「肌が乾燥している」と体が感知し余分に皮脂が分泌してしまいます。ゴシゴシと顔をコスって洗ってはいけない、というのも同じ理由です。
特に肌の汚れがひどいと感じるときは洗顔料を用いて十分に泡立てた泡で「乗せる」感覚で洗ってください。よく食器洗剤のCMで泡を乗せて滑らせるだけで汚れが落ちているシーンを見かけると思いますが、あのイメージです。
(参考)【正しい洗顔方法】間違いだらけの男の“ゴシゴシ洗顔”を一刀両断
乳液は必要ない!
すでに説明しましたが、20代前半までの肌はとてもオイリー。これは病気ではなく、世代の性質ですので特に気にする必要はありません。ですから付き合っていくしかないのです。皮脂の分泌は「肌を守る」ために行われていることです。
また乳液は「油分の補給」が目的。油分が足りているのですから補給する必要はありません。無理に使用すれば、肌がテカリ、ニキビや肌荒れの原因になります。
ニキビは絶対に潰しちゃダメ!
ニキビには白ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビ・黒ニキビと様々な種類・段階を踏んで成長するものです。
特に白ニキビは毛穴に皮脂が詰まった状態。ですから絶対量として皮脂の分泌が多い思春期はニキビが増えて当然なわけです。皮脂が詰まることのないよう毎日洗顔を行うことは重要です。
赤ニキビは白ニキビの進化系。白ニキビの中でアクネ菌という常在菌が増殖し悪性になったものが赤ニキビです。赤ニキビになってしまった場合、絶対に素手で触って潰してはいけません。「ニキビ跡」というのは赤ニキビを潰した際に残るもので、しっかりとした治療、もしくは塗り薬で完治させないとならないものです。
(参考)男性のニキビ跡を治す・消すための方法とおすすめの化粧水
脱脂作用のあるビタミンC誘導体配合化粧水が有効
思春期の肌に乳液は必要ありませんが、化粧水・美容液については洗顔後使用すると良いです(絶対必要なわけではありません)。
洗顔後は直ぐに肌の水分の蒸発(乾燥)が行われます。また化粧水についてはビタミンC誘導体が配合されているものを選ぶようにしましょう。ビタミンCには脱脂作用・抗酸化作用があるため皮脂の余剰分泌・ニキビ予防にも役立ちます。