基礎化粧品における乳液を使う目的をあなたはご存知でしょうか。恐らくほとんどの方が、その目的を知らずに、「なんとなく」使っていると思います。
「肌がオイリーであっても乳液を使いましょう」
「乳液は肌質や年齢を問わず必要です」
そんな言葉をよく聞くし、CMや芸能人も使っているから、身近にいる親や友達も使っているから、それを信じて何となく手に取り、いつの日かそれを手放せなくなっているのではないでしょうか?
結論から言うと、男女問わず乳液は「使用しなければいけないもの」ではありません。
違和感がある、ギトギトして気持ち悪い、少しでもそう感じるなら一切使わなくても問題ありません。
皮膚にとって乳液はなぜ必要なのか?
基礎化粧品の考え方は、「不足成分の補給」と「予防」です。
そしてそれを乳液に対して置き換えると、「油分の補給」と「保湿対策」になります。
「補給」とありますので、不足していないなら使用する必要はありません。肌質上、男性の場合は加齢に伴って、皮脂分泌が増える傾向にあります。
仮に、本当に油分が不足していてベトベトするようなら、使用している乳液の品質が低い可能性があります。しっかりと肌質にあった、一定の品質が確保された乳液を購入するようにしましょう。
10代の乳液使用の可否
10代に乳液は必要ありません。特に中学生~高校生にかけての時期は最も皮脂分泌量が豊富な時期でオイリーで悩まれている方がたくさんいらっしゃると思います。
更に肌のピークは20歳までと言われているので、分泌されている皮脂さえきちんとオフをするケアに集中すれば、肌の状態としては一番輝く時期です。
20代の乳液使用の可否
20代も乳液は必要ありません。しかし、20代後半になると人によっては皮脂分泌量が正常に機能しなくなっていきます。肌のピークは20歳までですので、その老化スピードには個人差があります。
20代前半は大学生活・就活・新社会人と、刺激たっぷりの時間です。様々なストレスと衝突する時期ですので、乳液の使用は控えたほうが無難です。ストレスは皮脂腺に働きかける作用があり肌荒れやオイリー傾向に傾きます。
20代の肌は環境に左右されやすいので常に肌質をチェックするように心がけましょう。
30代の乳液使用の可否
理論上、皮脂分泌量は30代で一つの節目を迎えるので乾燥傾向に肌はシフトしていきます。
ご自身で「油分が足りない」と感じるようになったら使用すればよく、乳液自体が“絶対に使用しなければならない”ものではありません。
そもそも油分を投与するよりも、肌本来の保湿力を高める方が根本の解決となり、肌体力もつきます。油分ではなく「保湿成分」を意識した補給を心がけると良いです。
40代の乳液使用の可否
40代になっても思春期のような油ギッシュな肌質という方は中々少なくなってきます。乳液も50%は水分でできているので、乾燥し、人によっては「乳液だけでは足りない」という方も出てくるでしょう。
そういった場合にはクリームを併用するなど乾燥対策に努めてください。クリームの役割も基本は乳液と同じです。クリームには10%程度しか水分が含まれていないので、より油分の補給を実感できるはずです。
ただ、繰り返しになりますが、乳液もクリームも、保湿を目的とした化粧品ではなく油分を補給する化粧品であるため、ベタついて不快感を覚えるようなら使用しなくても何ら問題はありません。
まとめ~やっぱり乳液はいらない
繰り返しになりますが、乳液の目的は「油分の補給」です。必ず使用しなければならないものではなく、皮脂分泌量が減退してきた方が補助的に使用するものです。これも必須ではありません。
特に十分に油分が足りている方は、使用する必要がありません。肌トラブルが起きると、何かしなければいけないのではないかと、不安になって色々つけたがる気持ちも分かりますが、それがかえって症状を悪化させてしまうこともあります。
「つけない」というのも立派スキンケアの一つです。特に混合肌(乾燥とオイリーが混じった肌)の方はどういったケアをすればいいのかわからないと思いますが、全肌質に共通して必要なケアは「保湿」です。まず始めるのであれば、「油分補給」より「保湿成分の補給」を推奨します。