富士経済の調査結果によると、2014年男性用スキンケア用品の売上額が2006年の142億円から212億円と、右肩上がりに成長していることが分かりました。
国内化粧品市場全体で見ても前年度比101.3%の2兆3,200億円と2年連続の成長。
特に売上増が顕著だったのがこの男性化粧品市場と、女性化粧品のオールインワンジェル製品だったと分析されています。
少子高齢化と人口減少で非常に成熟した市場と言われていましたが、男性という新しいターゲットと、時代にマッチした「オールインワン」という新しいニーズが成長の証ではないでしょうか。
男性化粧品市場が今“熱い”ワケ
「草食系」「男性の女子化」が最近話題になりましたが、こういった背景やいわゆる“化粧”目当てというよりも“身だしなみ”を意識した男性が増えたのが原因ではないかと思います。
「同じだろ!」とツッコミを入れられそうですが、実際に男性化粧品の売れ筋が伸びているのは中高年以上を対象にした“高級コスメ”の部類。草食系男子らにはまだまだ手が出せないところです。
「30歳を境に」「加齢臭が気になり始めて」「管理職として恥ずかしくないように」と他人の目を意識され、更に綺麗に・プラスアルファというよりも、「今の自分をいつまでも」という男性が増えてきている印象です。
つい3~4年前までは男性化粧品といったら洗顔料くらいしか売れませんでしたが、今では新宿伊勢丹メンズ館の1等地(正面入り口横)には男性化粧品コーナーが構えています。当時だったら全く想像のつかなかったことでしょう。
男女問わずオールインワン化粧品が人気の秘密
オールインワン化粧品とは、洗顔後のスキンケアの下記4ステップを1つに凝縮した化粧品のことです。リーズナブルでなおかつ時間も抑えられると、非常に人気を集めている製品です。
②美容液 → 脂溶性の美容成分や保湿成分を肌に浸透させる
③乳液 → 肌に油分を補給する
④クリーム → 乳液を補う目的で使用される
オールインワン化粧品のメリット
- 安い…オールインワン化粧品の相場は3000~5000円程度。全てを買い揃えるとなると、化粧水2000円、美容液4000円、乳液2000円、クリーム3000円(一例)
- 早い…オールインワンのスキンケアにかける時間は1分程度。通常のスキンケアであれば、各化粧品の浸透を待って順次染み込ませていくため10分以上かかる場合も。
- スキンケア知識のない人にとっては肌に優しい場合もある
※ベタベタ肌に触れること自体があまりよくありません
オールインワン化粧品のデメリット
- 季節や肌質・体調によって配分料を変えられない
- 界面活性剤を使用しているものが多い
- 正しいフェイスケア手順を踏んだ場合とオールインワンでは成分の浸透具合が異なる
こういったデメリットがありながらもオールインワン化粧品に人気が集まっているのも、昨今の不景気やお財布事情が絡んでいることが伺えます。それでも市場全体が大きくなっているのは新規顧客である男性を大きく取り込んだことが原因でしょう。
また最近はオールインワンでありながら界面活性剤を不使用、あるいは「肌に安全な界面活性剤」というのも生まれています。
「お肌をきれいにしたい」という思いで購入しているのに、肌に悪いものが配合されているというのは本末転倒ですからね。